3月19日、国家民族事務委員会において、平成24年度草の根・人間の安全保障無償資金協力案件「湖北省恩施州咸豊県小学校建設計画」及び「新疆ウイグル自治区霍城県加尓蘇教育環境改善計画」の贈与契約署名式が執り行われました。当館より垂公使、渕上書記官、長瀬書記官が、中国側より俸蘭・国家民族事務委員会国際交流司司長、雷 超・湖北省恩施州咸豊県教育局局長、韓軍波・新疆ウイグル自治区霍城県伊車ガ善錫伯郷人民政府副郷長他が出席しました。
【署名案件Ⅰ】
(1)案 件 名:湖北省恩施州咸豊県小学校建設計画
(2)被供与団体:湖北省恩施州咸豊県教育局
(3)案件概要:
湖北省咸豊県清坪鎮中心小学校の生徒に、安全で快適な教育環境を提供するため、新たに建設される宿舎1棟(コンクリート構造、4階建て、1,883.54㎡、寝室30、当直室2、全32室)の内装工事等を実施する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ
湖北省咸豊県は、湖北省南西部に位置し、人口約37万人(そのうち約80%が、土家族、苗族等、17の少数民族)、面積2,550k㎡の地方都市である。主要な産業は農業で、住民の年間平均収入は、都市部10,665元(約1,720米ドル)、農村部3,246元(約523米ドル)で、国家級貧困県に指定されている。 清坪鎮中心小学校は咸豊県中心地から35キロ離れた清坪鎮に位置し、周辺5村(清水溏村、柏楊村、王家坪村、大石壩村、蘭家溝村)から生徒を受け入れている。現在、同校生徒1,388人のうち、511人が寄宿を希望している。しかしながら、宿舎は1棟(1999年建設、レンガコンクリート構造、建築面積168.64㎡、寝室15室、当直室1室)しかなく、182人が当該宿舎の狭隘な部屋に寄宿している。また、本来、生徒宿舎の条件を満たしていない学生食堂の地下(2006年建設、レンガコンクリート構造、198.36㎡)に156人が寄宿している他、46人は学校周辺の民家を賃借し(生徒1人当たりの年間平均負担額は約322米ドル)、127人は毎日、長時間かけて徒歩やバスを利用して通学している(通学距離約20km)。なお、咸豊県の統計によると、周辺農村から清坪鎮への転居数は増加傾向にあり、今後、同校の生徒数は増加する見込みで、同校の宿舎不足は極めて深刻な問題となっている。
こうした現状を改善するためには、新しい宿舎の建設が不可欠であるが、同校の教育行政の企画立案・実施を行っている咸豊県教育局は、財政的に余裕がなく、本計画に必要な資金を捻出するのは困難なため、日本政府へ支援を要請したものである。
(5)裨益効果:
本件実施により、清坪鎮中心小学校に通学する1,388人のうち、寄宿を希望する511人の生徒が直接裨益する。
(6)供与限度額:120,722米ドル
(7)特記事項:本件の竣工後、コクヨ株式会社より同校に対し2,776冊(児童1名当たり2冊)のノートが寄贈される予定である。
【署名案件Ⅱ】
(1)案 件 名:新疆ウイグル自治区霍城県加尓蘇小学校建設計画
(2)被供与団体:新疆ウイグル自治区霍城県伊車ガ(口に戛。以下ガと表記。)善錫伯郷人民政府
(3)案件概要:
新疆ウイグル自治区霍城県加尓蘇小学校の生徒に、安全で快適な教育環境を提供するため、新たに校舎1棟(レンガコンクリート構造、平屋、518㎡、教室4、職員室1、活動室2、医務室1、全8室)を建設する。
(4)案件の社会的背景・ニーズ
新疆ウイグル自治区霍城県は、新疆ウイグル自治区北西部に位置し、人口約38.4万人、面積5,720k㎡の地方都市である。主要な産業は農業で、住民の年間平均収入は8,605元(約1,387米ドル)である。
加尓蘇小学校は霍城県中心地から30キロ離れた伊車ガ善錫伯郷に位置し、校舎2棟(北校舎:2012年建設、レンガコンクリート、2階建て、1,140㎡、西校舎:1989年建設、レンガコンクリート、平屋、200㎡)を有し、現在、生徒214人、教師23人が在籍している。
同校の統計(2013年1月現在)によると、在籍生徒以外に102人の児童が同校に通学を希望しているが、教室不足のため、他校(清水鎮育英小学校、清水鎮一学校、伊車郷中心学校)に通学せざるを得ない状況である。
こうした現状を改善するには、新たな校舎の建設が不可欠であるが、同校の教育行政の企画立案・実施を行っている伊車ガ善錫伯郷政府は財政的に余裕がなく、当該建設を全額捻出することは困難なため、日本政府へ支援を要請した。
(5)裨益効果:
本件実施により、教室不足のため今まで同校に通学出来ていなかった102人の児童に裨益する。
(6)供与限度額:121,810米ドル
(7)特記事項:本件の竣工後、コクヨ株式会社より同校に対し632冊(児童1名当たり2冊)のノートが寄贈される予定である。
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